遺伝子変異が関連する症候群

特殊な遺伝子が変異することによって、多彩な奇形を合併する症候群があります。

この中には、視床下部過誤腫も合併するものが含まれます。

体の奇形は、見た目にわかりやすいですが、視床下部過誤腫はMRIを行わないとわかりません。

これらの奇形を見たら、頭部MRIも行う方が良いでしょう。

 

ここでは、代表的な奇形症候群について、紹介します。

 

パリスター・ホール症候群(Pallister-Hall症候群)

視床下部過誤腫を合併しやすい症候群です。

 

他に合併する可能性のある奇形としては、

 

1.多指症(合指症)

 指が1本(ないし2本)多いものです。なかには、指同士がくっついて合指症という形をとることもあります。形成外科(整形外科)的に手術することが多いです。

 

2.鎖肛

 肛門が閉じてしまっている状態です。人工肛門増設などの手術が必要となることがあります。

 

3.泌尿生殖器の異常

 腎臓や尿管、子宮・膣などの形態異常を生じることがあります。

 

4.下垂体機能異常

 思春期早発症もさることながら、下垂体全体の機能が低下していることがあり、時に生後に致命的となることがあると報告されています。

 

5.二分喉頭蓋

 気管のふたなる喉頭蓋というところが2つに割れているものです。ほとんど無症状で、非常に稀です。私も1回しかみたことありません。でも、この症候群にとても特徴的なようです。

 

6.そのほか、肺や心臓の異常もまれにあるようです。

 

他にもいろいろな症候群があります。漸次追加していきます。