視床下部過誤腫によるてんかんでは、てんかん発作以外にも様々な問題となる症状を併発します。
それは、
・知的発達障害
・行動異常
です。
てんかん発作と、これらを合わせて持つものを、「視床下部過誤腫症候群」と呼んでいます。
2021年11月から、小児慢性特性疾病に認定されましたので、該当する方は申請した方がよいと思います。
西新潟中央病院での経験では、約50%近くの患者さんに、程度の差はありますが、これらを合併していました。
そのほかには、思春期早発症という問題もあります。
しかし、これはてんかんとは全く異なるメカニズム・病態によるものであり、治療もホルモン療法がよく効きます。
これについては、ここではあまり詳しくは述べません。
ちなみに、思春期早発症も小児慢性特定疾病に認定されています。
視床下部過誤腫によるてんかんを患っている患者さんは、知的機能に全く問題がなく、学校の成績も非常に優秀な人から、生まれたときから重度の発達障害を持つ人まで、非常に様々です。
西新潟中央病院のこれまでの経験では、約半分くらいの患者さんで、何らかの程度の知的発達障害を伴っていました。
視床下部過誤腫症候群では、様々な行動面での問題を生じることがあります。
特徴的なものとしては、
・行動が乱暴で、攻撃的
・キレやすい
・行動が衝動的
・落ち着きがない
・集中力がない
・飽きっぽく、勉強だけでなく、遊びやTVを見たりするのも長続きしない
などがあります。
しかし、行動異常を客観的に評価する方法やスケールなどがないため、
(自分が知らないだけかもしれませんが...)
どこからが異常で,どこからが正常の範囲内のものなのか、
判断が難しい場合があります。
手術で改善すれば、やっぱり行動異常があったんだ、なんて具合に、手術後に判断できることもありますし、
手術であまり変わりがなく、本人の性格的な問題なのかな?と思ったりすることも、実際にはあります。
*「自閉症」も、てんかんの患者さんでは問題になることが多い、発達障害です。
しかし私個人の印象では、いわゆる本当の自閉症といわれるような状態は。視床下部過誤腫症候群では少ないと思っています。
視床下部過誤腫症候群による行動異常での多動性は、いわゆる本当の自閉症とは少し違う印象です。