視床下部過誤腫では、どのようにして "てんかん発作" が生じるのでしょうか。
ここでは、視床下部過誤腫によるてんかん発作が、どのようにして発生するのか、そのしくみ、メカニズムを説明します。
視床下部過誤腫で最も特徴的な“笑い発作”は、視床下部過誤腫の中に発生する異常な電気活動(てんかん性放電)が原因となっています(当たり前のように聞こえますが...)。
視床下部過誤腫の中に発生したてんかん性放電は、過誤腫がくっついている視床下部に伝わります。その後、さらに視床へと伝わり、そこから笑いに関わる神経回路に伝わって、笑い発作になると考えられています。
笑い発作に対して、笑い発作以外のそのほかの発作(非笑い発作)については、少し複雑です。
基本的には、いろんな部位の脳が、非笑い発作に関わっています。
初めのうちは、視床下部過誤腫からのてんかん性放電が、脳のいろんな部位に伝わることによって、これらの非笑い発作を生じます。
(この「そのほかの部位でのてんかん発生源」を、“二次性てんかん原性”と呼びます)
なので、多くは笑い発作が生じた後に、そのほかの非笑い発作を生じる、というパターンを示します。
しかし、年月がたつにつれ、非笑い発作の発生源「二次性てんかん原性」が、視床下部過誤腫とは関係なく、勝手に発作を生じるようになります。
そうすると、笑い発作とは関係なく、そのほかの非笑い発作が生じるようになります。