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視床下部過誤腫という病気は、とても珍しい疾患です。
めったに見ることがないくらい非常にまれな病気であるうえに、
「笑い発作」という、てんかん発作の症状としても、とても珍しい発作症状を生じます。
そのため、きちんと診断されず、見逃されたりして、きちんとした治療が受けられていない患者さんもいます。
その珍しさゆえに、てんかんを専門とする医師でも滅多に出会うことがありません。そのため、正確な情報が不足しており、ちゃんと診断されず、見逃されていることがあります。患者さん達に正確な診断、治療方針を示すことができない事があります。
このサイトは、私のこれまでの多くの治療経験(おそらく日本国内では最も多いと思います)から、この病気に関する正確な情報を提供することを目的として作りました。激レア疾患なので、それほど世の中でニーズが高いとは思えませんが、だからこそ、この疾患に関して不足している正確な情報をお伝えしたいと思い、このサイトを開設しました。患者さんやご家族の方々、そしてそれに関わる医療関係者へお役に立てればと願っています。
2023.7.11 ブログを始めてみました.
2023.6.20 サイトの一般公開を開始しました。
2020.4.10 サイトを開設しました。
普通、ひとは楽しい時やうれしい時、おもしろい時などに、笑います。大笑いしたり、微笑んだり、笑いの表現はさまざまですが、笑いという表現・表情は、基本的には心地よいものです。
でも、楽しくも、おもしろくもないのに、いきなり無理やり笑わさせる時...
それは心地よいものとは思えません。
特に、今笑ってはいけないというような場面で、自分の意思とは関係なく、いきなり笑ったりしたとしたら...
赤ちゃんも、親の顔を見たりあやされたりすると、笑います。
でも、なんにもしてないのに、笑ってる...
笑ってるんだけど、なんだか苦しそうにしてる...
こんな異常な笑いを起こす病気があります。
突然始まる、このような発作的な笑いのことを、「笑い発作」と言います。
「笑い発作」は、てんかんという病気に起きるてんかん発作の一種です。
すなわち、笑い発作をおこしている人は、てんかんという病気になっている可能性があるのです。
“てんかん”という病気は、脳の神経細胞が、突然過剰に興奮することによって、急に身体や精神の状態に変化を生じる、いわゆる「発作」と言われる症状をだす病気です。
てんかんは、慢性的な病気なので、繰り返し発作を起こします。
てんかんは実はそれほど珍しい病気ではなく、100人に0.5〜1人くらいのひとに見られる、といわれています。
てんかんの発作は、突発的で、一時的なものなので、発作がない時は普段通りの生活が送れています。(なかには、重度な知的障害などで、日常生活にたくさんの支援が必要な人もいますが...)
なので、てんかんの患者さんは、普段は周りから気づかれることはありません。
てんかんの治療は、普通は薬(抗てんかん発作薬)で治療を行います。
薬により、脳の神経の興奮を和らげ、発作が起きるのを予防します。
7〜8割くらいの方は、薬物療法により、発作が抑えられます。
残りの2〜3割くらいの人は、いろんな薬が効かずに発作が治まらない、“薬剤抵抗性てんかん”となります。
抗てんかん発作薬が効きにくい薬剤抵抗性てんかんの場合、外科的な治療法が考慮されます。
視床下部過誤腫が引き起こすてんかんは、残念ながらお薬がほとんど効きません。
したがって外科的な治療が考えられるのですが、視床下部というところは、脳の中心部近くにあり、普通の手術法では到達することが難しい、もしくは危険なところにあります。
そのため、長い間、視床下部過誤腫の手術は難しい、またはできない、と考えられてきました。
実際に、手術を受けたけど発作が止まらない、手術の合併症が残ってしまった、といった人たちが多くいらっしゃいました。
では、視床下部過誤腫によっててんかんを起こしている方は、あきらめなくてはならないのでしょうか?
このサイトでは、日本で行われている(といっても限られた施設ですが...)、とても有効な治療法を紹介します。
左の見出しから(スマホの人は上のメニューバーから)入った方が早いかも...
視床下部過誤腫は、先天性の奇形の一種です。脳腫瘍ではありません。
てんかんと、思春期早発症という症状を特徴としています。
笑い発作という発作症状は、いろんな種類があるてんかん発作の中でも、とても珍しい症状です。
しかし、これは視床下部過誤腫によるてんかんにおける、最も特徴的な発作です。きちんと認識してあげる必要があります。
視床下部過誤腫によるてんかんでは、笑い発作以外のてんかん発作も生じることがあります。
視床下部過誤腫では、どのようにして発作が生じるのでしょうか。
これを知ることは、適切な治療につながる重要な知識となります。これがわかっていないと、間違った治療につながりかねません。
視床下部過誤腫は、てんかん発作以外にも様々な症状を合併します。
視床下部過誤腫は、非常に稀な病気なので、きちんと診断がなされないことも稀ではありません。
ここでは、診断のポイントを説明しています。
てんかんの治療の基本は、薬物療法(抗てんかん発作薬)による発作抑制です。しかし、視床下部過誤腫によるてんかんは、ほとんどの場合、薬物療法の効果がありません。
したがって、ほとんどの場合、外科的治療を必要とする事になります。
視床下部過誤腫によるてんかん、特に笑い発作に対する、現時点では日本で最も優れた手術法と考えています。この治療法ができたことにより、多くの患者さんを治療することができるようになりました。
定位温熱凝固術による治療の結果について説明しています。この治療成績は、症例数のみならず、治療効果についても、日本のみならず、世界的にもトップクラスであると自負しています。
我々の手術の後でもそうなのですが、そのほかの手術を受けても、発作が治まらない場合があります。その多くは、不完全な治療によるものです。とても難しい場所にあるので、仕方がないところもあります。でも、笑い発作が残っている場合は、諦める必要はありません。定位温熱凝固術による再手術が可能な場合があります。我々は、そういった再手術も多く手がけています。
いかに優れた治療とはいえ、手術である以上、そして特に脳を扱う手術である以上、合併症を生じるリスクはあります。通常の脳外科手術である開頭手術に比べるとはるかに低い確率ではありますが、どのような合併症を生じうるかを説明しています。
視床下部過誤腫に関する情報を取り扱ったサイトを紹介しています。
特に、小児慢性特定疾病に関するサイトは、患者さん、ご家族の方にとって重要であると思います。
管理者の自己紹介を少し...
このサイトでは、できるだけ生の、実際に即した情報を提供したいという思いから、患者さんの実際の写真やMRI画像を使用しています。
個人が特定されるようなものは使っていませんが、それでも、どうしても「これってうちの子のものじゃない?」とか気になるようなことがあり、使用をやめてほしいという要望があるかもしれません。
その場合には、直接ご連絡くだされば、画像を差し替えたいと思います。
(イラストを作ったりすればいいんでしょうが、絵心がないんですよね...すみません...)